わんちゃんってこんなにおみず飲みますか!?

門脈低形成の疑い【多飲多尿】

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こんにちは、菜絵です!

 

今回はてまりが新たに受けた検査から浮上した

原発性門脈低形成」の疑いについてまとめていきます。

 

 

門脈低形成って何?

門脈とは

 動脈、静脈のような大きい血管の1つです。

腸管から肝臓に流れる血管で、

腸で吸収した栄養や毒素を

肝臓に送り処理・解毒するためのものです。

 

原発性(先天性)門脈低形成

先述の"門脈"が発達不全を起こしている状態です。

 

門脈を通って肝細胞に届くはずの血液が

門脈シャントなど、何らかの理由で

正しく肝臓に運ばれていない状態のことを指します。

 

「門脈低形成」は

門脈の発達不全によって起こる様々な病気の総称なので

微小血管異形成、門脈シャント、肝門脈線維症など

色々な状態を含みます。

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門脈シャント

門脈低形成のわんちゃんに多く発生するのが

この門脈シャントです。

↓簡単に図にしてみました↓

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門脈体循環シャントとも呼ばれ、

門脈の途中で静脈に連結してしまうシャント(枝分かれ)ができてしまう病気です。

肝臓の外でシャントが発生する肝外シャントと

肝臓の中でシャントが作られてしまう肝内シャントに分けられます。

 

このシャントが発生し、

門脈と静脈が直接繋がってしまうと

本来であれば肝臓で分解・解毒されるはずの

血中の胆汁酸やアンモニア

肝臓を正しく経由せずに直接静脈へ流れ

心臓を通り、全身に循環してしまいます。

 

その結果、アンモニア血症などを引き起こします。

食欲不振や、嘔吐下痢、多飲多尿が見られる場合もあります。

 

生まれつき門脈シャントのある子は

肝臓にうまく栄養がいかずに小肝症になったり

肝臓の発育が遅れがちです。

 

また、本来肝臓を通り

代謝されるはずのなどが

正しく分解されないため

成分が体を循環し続けてしまうこともあり

効きすぎ副作用に注意が必要となります。

 

検査方法

 

門脈低形成の検査としてはまず

食前、食後の血液検査で

血中のTBA(総胆汁酸)を測定します。

本来、胆汁酸は肝臓で代謝されるものですが

門脈低形成の子の場合は血中から高値が検出されます。

 

食事を抜いた状態で採血をしてもらい、

食事を与えた後で再度採血してTBA

どの程度上昇するかを検査します。

 

てまりの検査結果

 

てまりのTBA値は

食前3.5(基準値は〜7.9)

食後41.1(基準値は〜24.5)

でした。

 

食後が高いです。

このことから、胆汁酸が血中に

高濃度で循環していることがわかります。

 

TBAは肝機能の低下によって上昇するため

肝硬変や肝不全の場合にも高値となります。

 

しかしてまりの場合、若齢であることと

他の数値から肝硬変や肝不全が否定できることから

原発性門脈低形成」ではないか、と

先生に説明を受けました。

 

エコー検査で肝臓が気持ち小さめだったことからも、

門脈シャントがある可能性が高い

ともお話いただきました。

 

治療法はあるの?

 

門脈低形成自体の根本的な治療はありません。

 

門脈シャントが確認された場合は

シャント血管を結紮する外科手術がありますが、

大きなシャントが1本だけ、という場合以外は

結紮は有効ではありません。

マルチシャント(マルチプルシャント)のように

細かく枝分かれしシャントが複数ある場合は

外科処置は難しいです。

 

しかし、門脈低形成や門脈シャントで

臨床症状のでるわんちゃんばかりではありません。

実際には低形成やシャントがあっても

無症状のまま寿命を全うする子もいるのです。

 

もしくは、負荷が蓄積し

肝臓の機能低下や障害が出てくる場合もあります。

のちのち肝臓病を発症した場合には

その病気の治療をするしかないのが現状です。

 

そのため、肝臓の健康を維持するために努力し

現状を保つことが最優先となりました。

 

てまりの今後

CT検査は必要に応じて

 

門脈低形成及び門脈シャントであると

診断を確定するにはCT検査が確実です。

 

今回、TBA(総胆汁酸)が高く

門脈低形成の疑いが濃厚、というところまではきたのですが

診断を確定できていません。

 

しかしCTを撮ろうと思うとやはり全身麻酔が必要です。

その負担やリスクを考え、

現段階ですぐにCT検査を受ける予定はありません。

CT検査をして門脈シャントが見つかったとしても

手術で完治させられるケースの方が稀だからです。

 

もし今後、多飲多尿が悪化したり

他の症状が現れるようであれば

CT検査も視野に入れたいと思っています。

 

定期的な血液検査

肝臓の機能を確認するためにも、

今後も定期的な血液検査が必要となります。

 

食事などで総胆汁酸や

アンモニアをコントロールすることと併せて

血液検査を行い経過をみていく予定です。

 

食餌療法

 

今回まさか

門脈低形成の疑いが出ると思っていなかったので

まだまだ食餌療法は勉強中ですが、

病院で先生に勧められたサプリを

飲ませることから始めてみました。

 

「Vercure」(ヴェルキュア)という

サプリを取り寄せてもらい、1日数粒

食べさせています。

門脈体循環シャント研究の権威でおられる

宮崎大学の鳥巣先生が研究、開発なさったそうです。

野菜やアミノ酸が中心となるサプリです。

 

正直サプリ...うさんくさい...と

心のどこかで思ってしまいましたが

完全手作り食にするわけにもいかないので

カリカリで補えない野菜成分や

アミノ酸、抗酸化成分を補ってくれたら良いなぁと思っています。

 

先に述べたように、

門脈シャントのある子は薬の成分が

肝臓で正しく分解されない可能性があるので、

すぐに薬を飲ませて治療を開始!というのも

不安が残るので。

まずは食の改善

健康な肝臓を目指すところから

始めていきたいと思います。

 

今回はじめた「Vercure」は

動物病院専売品となります。

タブレットタイプですが

鰹節にちょっと青汁を足したような感じで

苦味もなく美味しかったです。

(まず自分が食べてみました。笑)

 

てまりはフセやマテの練習をしながら

ご褒美として食べてくれています。

お薬が苦手なわんちゃんも大丈夫そうです。

 

病院外で購入できるものでは

メニワンさんのベジタブルサポートが肝臓に良いと有名だと思います。

↓ベジタブルサポートはこちら↓

 

 

成分が結構似ているので、

今後の血液検査の結果などによっては

ベジタブルサポートも試してみたいな〜と思っています。

 

その他の食事面は

これからもっともっと勉強して

肝臓に良い食生活をさせてあげられるよう

頑張ります!

おやつも動物性タンパクよりも

植物性が望ましいらしく...🤔

しっかり選んだものを与えていきたいです。

 

なにしろ"門脈"も"シャント"も今回

初めて聞いたので...肝臓のお勉強から始めます!!

 

 

以上、門脈低形成の疑いでした。

読んでいただきありがとうございました!

 

避妊と乳歯抜歯の手術についてまとめた

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