わんちゃんってこんなにおみず飲みますか!?

アジソン病の疑いは否定的【多飲多尿】

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ご無沙汰しています。菜絵です。

 

しばらく更新できていませんでしたが、

引っ越しに伴い転院をし、新しい病院で

てまりの多飲多尿に絡む色々な検査を受けていました。

 

その中でアジソン病をほぼ否定できるのではないかというお話になりましたので、検査結果と現状をまとめていきたいと思います。

 

転院と出会い

 

旦那さんの転勤に伴い、

かかりつけの病院が変わりました

 

以前の病院で診断の確定に至っていないので、

「紹介状」ではなく「経過報告書」として

これまでの検査結果などをまとめたものを1通頂き

それを持参して新しい病院のドアを開けました。

 

偶然か、運命か、

学生時代の友達の実家のわんちゃんが

その病院にお世話になっていると聞き

緊張半分、安心半分。

 

どうかてまりの状態を理解してくださる先生に

出会えますように...!と

心の底から願って診察室に入りました。

 

結果、とても優しく熱心で、

病名がはっきりしないことに逆に

強く興味を持ってくださる先生と出会うことができました。

 

今まで色々な獣医師さんに診ていただいたけど、

全っ然、違うんです...!

 

すごく前のめりで、その場ですぐに医学書

ご自身の勉強ノートを遡ったり

別の日にも獣医学界隈の研究論文を探して

近い症例がないか調べてくださって。

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多飲多尿を呈すであろう病気も

今まで聞いたことのないものがぽんぽん出てきました。

かなり幅広く熟知しておられる先生です。

飼い主として、犬の多飲多尿について

かなり勉強してきた気でいたけれど、

やはりプロの知識はすごいです。

 

あまりにも暖かい先生と、クリニックだったので

今までの不安とかもやもやがスッと軽くなって

帰りの車で号泣してしまった私でした。

 

引っ越しは人間の都合なので、

てまりが好きだった以前の病院を離れるのを

申し訳なく感じていましたし、

きちんと診ていただける病院が

見つからなかったらどうしよう、と

ナーバスになっていたのを

泣きながら改めて痛感したのでした。

 

そして、今回の素晴らしい出会いに

本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

本当にアジソン病なのか

測定してこなかった"浸透圧"

 

てまりがアジソン病と仮診断された経緯について、

新しい先生は少々懐疑的でした。

 

過去のACTH刺激試験において

CORT postで非常に高値が出ていたこと。

そして低Naとはいえ、

基準値をギリギリ下回る程度なこと。

低Naや多尿がなぜ起きているのかを調べる

"浸透圧"の測定をこれまで提案されてこなかったこと。

 

これらの要素から、改めて先入観なしで

アジソンかどうか鑑別する検査を

していただくことになりました。

 

フロリネフの休薬

 

初診でヒアリングしていただいた際に

経過報告書をお渡しして、

「直ちにフロリネフの処方を希望しますか?」

というお話にもなりました。

 

先生はまだ診察も検査もできていないので

薬が必要か判断ができないけれど

以前の病院からの継続として希望するなら、

ということでした。

 

新しい病院でも再度ホルモン値などを測定してもらい

診断に繋げたい気持ちがあったので

一度お薬を中断し、てまり本来の数値を

測定してもらうことにしました。

 

変わらなかった飲水量

 

フロリネフの投与を中断してみて

また一時期のように1000ml/日を超えてしまうのではと

不安に感じていましたが、

なんと投薬をやめても日に6~800mlで

飲水量は変わりませんでした。

 

食欲も変わらず旺盛で、

特にぐったりする様子もなく

至って元気いっぱいのてまりでした。

 

安定した飲水量に安心する反面、

今まで本当は必要のない薬を

飲ませ続けてしまっていたのかもと

不安にもなってしまいました。

 

ですが、最大で1400ml/日だった時期に

フロリネフを服用し700ml/日ほどに

飲水量が減ったのは事実なので

もしもアジソンでなかったとしても

当時の対処としては適切だったのかなと思います。

 

血液とホルモン検査

 

後日、1日お預けして血液や電解質

エコーとホルモン値など

ひととおりの検査をしていただきました。

 

結果は...

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肝細胞に関わる数値が高くなってしまいました!

ALT(GPT)及びALPがとても高かったです。

最近までステロイド(フロリネフ)を

飲んでいた影響もあるのかもしれません。

 

その他血液検査や、コルチゾール

甲状腺などのホルモン値は極めて正常でした。

ここでアジソンの疑いがかなり薄くなります。

 

エコーでは

ほんの少し肝臓が小さめだったそう。

腸管付近のリンパに均一な腫れが見られ、

腸に負担がかかっている状態らしく整腸剤をいただきました。

 

そして肝心のナトリウムですが...

電解質検査で低Naであることに変わりはありませんでした。

しかし基準値をぎりぎり下回る程度であり、

極端な数値ではありませんでした。

 

さらに浸透圧も正常で

アジソンの疑いが極めて弱くなりました。

脳腫瘍や水頭症の心配もなく、

浸透圧利尿での多飲多尿ではなさそうだと言うことがわかりました。

 

以上のことから、

「アジソン病の疑いについては

 否定的に考えて良いのではないか」

という結論に達しました。

 

もちろん、もともと完全なアジソン病ではなく

予備軍と言われていたため不安は残りますが

現在の多飲多尿の程度から見ても

何か他の原因を探す方が賢明だと判断しました。 

 

今後について

食事の見直し

 

てまりは現在ちょっと痩せすぎとのこと。

もう少し脂肪がつけば、

体内に留めておける水分量が増すので

多飲の悪化を防げるかもしれないということで

食事の改善を提案いただきました。

 

てまりは食欲が旺盛で、

量的にもたくさん食べているはずなのに

痩せすぎというのは驚きでした。

 

あばらもチェックしてたんだけどなぁ...

もっと胴回りはもちもちで良いそうです。

 

量をしっかり食べているのに、

身になっていないというのは今のご飯が

合っていない(消化吸収がうまくできていない)

可能性があるということで、

病院用の療法食に切り替えました。

 

今までのフードとこれからのフードについては

また別記事で詳しく書いていきたいと思います。

 

可能性のある病気を1つずつ否定していく

 

アジソンではないだろうという見解に至りましたが、

多飲多尿の程度が明らかに酷いのは

言うまでもありません。

 

正常なわんちゃんの飲水量が

(体重kg×100)ml/日なので

2.5kgのてまりは日に250ml程飲むはずなのです。

それを日に6~800ml飲んでしまうのですから

やはり何かしらの病気を疑わざるを得ません。

 

ここからはまた振り出しに戻った気持ち

可能性のある病気を1つ1つ除外していくため

新たな検査を受けていくことになりました。

 

 

近日中に、肝臓機能に関わる総胆汁酸を

測定したお話をまとめていきたいと思います。

 

以上、 アジソン病の疑いは否定的でした。

読んでいただきありがとうございました!

 

犬猫兼用アイテムの安全性を考えた前回記事は

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