わんちゃんってこんなにおみず飲みますか!?

2度目の受診【子犬の多飲多尿】

今回は、前回の記事に引き続いて

生後2ヶ月ポメラニアン"てまり"の

多飲多尿受診検査記録になります。

 

少し長いですが、まとめていきますね!

 

 

 

日に日に増えていく飲水量

 

1度目に受診した頃は

1日に300ml程度飲んでいたてまりですが、

その後も日に日に飲水量が増えていきました。

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↑アプリで日々記録した数字を後日グラフ化したものです↑

 

多飲多尿に気づいてから私達夫婦は

神経質なくらいしっかりと飲んだお水の量を測るようになりました。

 

その日1日で飲んだ量は

「水飲むお」という人間用の脱水防止アプリで管理し、

定期的にパソコンでグラフ化しました。

宣伝ではないですが、簡単に飲んだ量を入力できてとても便利なアプリですので別の機会にご紹介したいと思います。

 

効かない薬

 

朝晩2回と言われた抗生剤を、

しっかり飲ませ続けて1週間が経ちました。

(小児用のセフジニルというお薬を

わんちゃん用に少量分包してもらったものでした。)

 

膀胱炎であれば、度合いにもよりますが

少しは症状の改善が見えても良い頃だと思いましたが、トイレの回数が減る気配もなく、水もがぶがぶ飲み続けていました。

 

当時体重がやっと800gを超えた

小さな小さなてまりが

自分の体重以上のおを飲んだ日、

獣医師の先生もプロとはいえ、

前例がないとはっきり言っていたし診断疑っていくべきなのでは。」

という思いがよぎりました。

 

もし膀胱炎ではないのであれば

この抗生剤に意味はあるのか?

必要ないお薬を飲ませ続けて、体に負担をかけて体調を悪化させてしまったら?

 

幸い、多飲多尿以外は

食欲も旺盛で元気いっぱいのてまりでしたが

お薬を与える側は

本当にこのままで良いのかと内心不安で不安でたまりませんでした。

 

獣医さんにオンライン相談のできるサイト(sippo)や

知恵袋などで色々な方にアドバイスをいただきながら、旦那さんとも相談し、薬を飲み終わるのを待たずに再度病院へ行くことを決めました。

 

意を決して再受診

 

再受診を決心した翌日、

違う獣医師先生に相談に行きました。

 

日々の飲水量の記録と前回の尿検査の結果用紙も持参したので話はスムーズでした。

 

尿検査も再度採りたての尿でしていただき、

膀胱炎ではないだろう」

というご説明と

「体格の小さい子だから負担は大きいけれど、

飲水量が尋常じゃなく多いので血液検査エコー検査を受けませんか」

という提案をしていただきました。

 

できることなら小さなてまりに負担はかけたくありませんでしたが...

もしも腎不全や肝機能障害で早期治療が望ましい病気だったら、と思うと早急に検査をしてもらうべきだと考えました。

 

血液検査

まずは採血の必要がありました。

当然てまりは、知らない人によくわからないことをされるのですから、診察台の上で暴れてしまいます。動物看護師さんがしっかりとホールドしてくださり、無事に採血が行われました。

 

待合で数十分待ち、いただいた結果が

↓こちらです↓

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写真が残っているのは

腎機能や肝機能に関する部分のみですが、

他の項目に異常はありませんでした。

 

上から順にご説明します。

 

・ALB(アルブミン)

・ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

この2つは肝機能に関わる数字です。

今回の結果は2つとも基準値以内ですので

肝機能障害の疑いは極めて低くなりました。

 

次に

・Ca(カルシウム)

これも基準値以内ですので

高カルシウム血症という病気が否定できました。

 

・Na(ナトリウム)

・K(カリウム)

・Cl(クロール)

・BUN(血中尿素窒素)

これらは腎臓やホルモン系に関わる数字です。

今回NaCl低く出ています。

腎不全などを示すBUN正常値ですので

腎機能障害の疑いは低くなりましたが、

ホルモン系の異常が起きている可能性があります。

 

・Glu(血糖値)

糖尿病に関する数字です。

基準値以内ですので糖尿病の可能性が否定できました。

 

・Hct(ヘマトクリット)

貧血や多血症を調べる数字です。

今回は基準値以内でした。

 

・pH(血液pH)

・PCO2(二酸化炭素分圧)

血液中の酸素や二酸化炭素などに関わる数字です。

緊張による呼吸量の変化でも影響の出る数字のため

この2つが基準値から外れていることで、

直接病気を疑ったり、異常のある臓器を特定することは難しいようです。

 

・HCO3(重炭酸イオン) 

前項のpH同時に異常が出れば

腎臓機能を疑うべき数字ですが、今回は基準値以内でした。

 

これらの数値と、エコー検査の結果をもとに

診断がなされることとなりました。

 

エコー検査

 

臓器の大きさに異常がないか確認するための検査になります。

多飲多尿と関連のある腎臓や

肝臓、副腎、子宮などを調べていただきましたが 

大幅な肥大萎縮見られなかったそうです

 

また、尿を貯めておく膀胱の大きさも確認していただきましたが異常なしとのことでした。

 

ただし、1kgに満たない小さな子犬ですので

それぞれの臓器もとても小さいです。

この1回のエコー検査をもって、

臓器異常なし判断することはできませんでした。

 

診断は?

 

2つの検査の結果、今回の診断は...

診断がつきませんでした。 

疑わしい病気が数種類存在するのです。

 

今回の検査結果を受け、

多飲多尿を示す病気のうち

・肝機能障害

・糖尿病

高カルシウム血症

否定することができました。

 

また、

・腎不全

 (BUNが正常だったことから)

・子宮蓄膿

 (エコーで異常が見られなかったから)

の2つの病気についても

可能性が極めて低いということがわかりました。

 

消去法で残された病気である

◇ホルモン異常

 ・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

 ・副腎皮質機能低下症(アジソン病)

◇尿崩症

心因性多飲

のいずれかを疑った方が良い、と診断されたのでした。

 

これらの病気を調べるための更なる検査についても獣医師の先生からご説明いただきましたが、

薬剤を投与し反応を見るものだったり、

水分の摂取を制限し脱水状態を作り出すものだったり、麻酔を必要とするMRIだったり...

 

とても体重1kgに満たない子犬受けることのできる検査ではありませんでした

 

医師の目線でも

「いずれの病気であってもまだ一刻を争う病状では無い。

体格がしっかりするまで検査はおすすめできない。

少なくとも体重が2kg程にならないと負担が大きすぎる。」

と言われてしまいました。

 

てまりが検査を受けられる大きさに育つまで、

見守ることしかできなくなってしまったのでした。

 

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まだ800g!目安の2kgはしばらく先ですね。

 

この日の診断内容は以上です。

 

飼い主がしてあげられること

 

今回の受診の結果、今すぐに追加検査を受け

病気特定することはできないとわかりました。

 

明らかな多飲多尿続いていて、

何らかの病気であることは間違いないので

定期的に

・尿検査

・エコー検査

・必要であれば血液検査

を受けながら成長を見守ることになりました。

 

それでも異常な量を飲み

異常な回数トイレに行く生活は毎日続きます

見ている範囲でもかなりの回数水を飲み、トイレに行っているため「まとまって眠れているか」心配で仕方がありませんでした。

 

てまりのために少しでも何かしてあげたいのですが

病名もわからない今、一体何ができるか

 

病院でも相談して帰りましたが、

食事生活習慣で気をつけられることは

現状無いと言われました。

 

そんな中、私達夫婦なりに考え、実践してきたのは

①毎日の飲水量を細かく測る

 (日中と就寝時を分ける)

②ペットの体調管理アプリで食欲や便の様子などを記録する

③体重計で体重の増減をしっかり把握する

脱水一番危険なので水の補充には細心の注意を払う

この4点です。

 

①に関しては多飲多尿に気づいた時から

毎日記録をしていましたが、

さらに"日中と就寝時間帯を分けて記録する"ことを徹底しました。

この結果、てまりは夜間の飲水量は

比較的少なく安定していることが確認できました。

眠れないほど喉が渇いていたり、尿意を感じっぱなしでは無く、夜間はある程度まとまって眠れていることがわかりました。

ほんの少しですが安心材料が見つかり、

ホッと胸をなでおろしたのを覚えています。

 

毎日の記録の積み重ねが、

後々、本当に役立ちました

 

多飲多尿のペットと付き合っていく場合は

絶対に飲んだ量を把握してあげてくださいね。

 

②の食欲や排便の記録についても同様で、

食欲が減退してきたり、下痢を繰り返したりすると

早い段階で脱水や衰弱の危険があります。

日々の記録を残すことで変化にいち早く気付けるのでおすすめです。

 

③は必須では無いですが、

体重に対しどのくらい水を飲んでいるのかというのがわんちゃんの多飲多尿を見ていく上でひとつ大事な要素になってきます。

 

我が家はペット用の体重計を購入しましたが、

普通の体重計でも測ることができます!

 

一度、わんちゃんを抱っこして測り

そこから飼い主さんの体重を引いた残りが

子犬体重になります。

 

できれば飲水量と合わせて体重も記録していくことをおすすめします。

 

④は必須です。

今回疑われた病気はいずれも、いますぐ命の危険があるものではありませんでしたが、どれも「脱水症状」を起こしかねない病気です。

脱水は対処が遅れると命を落とすこともある大変危険な状態です。

 

現段階では、病気そのものよりも

この「脱水」に気をつけるよう

医師からも指示を受けました。

 

少し留守にするときでも、

水の補充はしっかりとしてあるか

細心の注意を払っていました。

 

やむを得ず長時間の留守になるときは

てまりのケージと

給水器残量がしっかり確認できる位置に

"見守りカメラ"を置いて外出していました。

 

多飲多尿のわんちゃんと暮らしている方にはぜひ、

この4点に気をつけて過ごしていただけたらと思います。

 

 

以上、2度目の受診【子犬の多飲多尿】でした。

長くなりましたが

読んでいただきありがとうございました!

 

子犬の多飲多尿って何?基本的な内容と

初めて受診した際の誤診について書いた前回の記事は

↓こちらから読んでいただけると嬉しいです↓
temari-pome.hatenablog.com