わんちゃんってこんなにおみず飲みますか!?

てまりの尿比重から病気を考える

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前回の記事で、

尿比重や低張尿・等張尿がどんなものなのか書きました。

今回は我が家のてまり

これまでの尿比重の推移についてまとめていきます。

 

 

初めての尿検査

 

2020年3月に初めて尿検査を受けたとき、

尿比重は1.020と低いものでした。

ですがその日は、子犬なので

腎機能がまだ未熟なのだろうと説明されました。

 

同時に尿pHがアルカリ寄りだったために

膀胱炎による多飲多尿だと診断され、

抗生剤を服用し始めました。

(結局、膀胱炎ではありませんでした)

 

しかし、てまりの多飲多尿は

その後も全く改善なく、再度受診し

血液検査エコー検査を受けましたが

異常が見つからず。

 

定期的な尿検査と自宅での飲水量の測定で経過をみていくことになりました。

 

現在に至るまで、約1ヶ月に1回のペースで

尿検査を受けてきました。

 

毎回変わる尿比重の値に

獣医師の先生も困惑し、

その都度考えられる病気について

ご説明してくださりましたので

推移とともにまとめていきます。

 

尿比重の推移

 

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上のグラフで水色のゾーンは、

「低張尿」といって極めて薄い尿を示す数値です。

 

水色のゾーンを脱しても

1.008〜1.012程度は

「等張尿」と呼ばれる薄い尿の状態です。

 

健康な犬の尿比重は

1.030〜1.040程度と言われていますので

てまりの尿が"常に標準より薄い"ことが

おわかりいただけると思います。

 

疑われた病気

 

①尿崩症

先ほどのグラフで水色のゾーンだった

4月(てまり生後3ヶ月頃)は、

低張尿が連続して出ていることから

尿崩症を疑うべきとお話を受けていました。

 

尿崩症の場合、診断確定のためには

水制限やMRI、薬の試験的投与といった

リスクを伴う検査が必要になることから、

生後3ヶ月の子犬に今すぐできることはない

というお話でした。

 

たとえ尿崩症であっても

日々の生活の中で脱水に気をつけていれば

すぐに命に関わる状態にはならないと

ご説明いただいたので、引き続き

尿検査を定期的に行いながら経過を見守ることにしました。

 

心因性多飲

5月に入り、尿比重が1.008以上の

等張尿になりました。

一定して薄い尿しか出せないわけではなく、

濃くする力も多少はあることがわかりました。

 

そこで、心因性の多飲が疑われました。

 

子犬多飲多尿は極めて稀であること、

獣医師数名の総意として、尿崩症やその他の病気も生後3〜4ヶ月での症例は見たことがないそうで、可能性の高さから考えると「病原性」ではなく「心因性」の多飲多尿なのではないか、とのことでした。

 

「生活への慣れ次第で、

少しづつ多飲も落ち着き、

尿も濃くなるのではないか」

という見解を受け

また引き続き、定期的な尿検査を行いながら

経過を見守ることになりました。

 

③ホルモン異常

心因性多飲の疑いが強いと診断を受けた後も、

てまりの多飲多尿は変わらず

飲む量に関してもどんどん増えていました。

 

定期的な尿検査でも

等張尿が出続けていて、

一時的なストレスによるものだとは考えにくくなってきました。

 

そこで副腎皮質機能亢進症や低下症などの

ホルモン異常の可能性が指摘されました。

7月(てまり生後半年)の段階で

一度クッシング症候群やアジソン病の

検査を受けることを進められ、

それぞれの検査時期について検討する段階へ移りました。

 

④病気の併発の恐れも

③で書いた通り、今後の検査を

検討する段階に移り

少し前進した気持ちでいたのですが、

同時に懸念点もありました。

 

もしも、副腎皮質機能亢進症や

副腎皮質機能低下症だったとしても、

てまりのように日に1500ml飲んでしまうようなケースは極めて稀だということで、

尿崩症と併発している可能性も否定できないと

ご説明をいただいたのです。

 

それぞれの病気については今後詳しく書いていきますが...

 

疑いの残るそれぞれの病気はどれも、

完治するものではないため

生涯に渡り投薬や生活環境で

コントロールしていくものになります。

 

それを万が一、複数併発しているとしたら。

 

病院での説明や、自身で病気について調べていく中で

これからの検査や治療で

どれだけ子犬に負担をかけてしまうか

考えただけでも夜寝付けない日々が続きました。

 

大切な家族と踏み出すために

 

病院で毎回ご説明いただいたのは

「今、多飲多尿のみなのであれば

何らかの他の症状が現れるまで

検査や治療を先延ばしすることも一つの方法。

子犬の体力や精神の負担、

飼い主の精神や経済負担、

今後をどう考えるかはご家族に任せています」

ということでした。

 

これは私たち飼い主が最も悩んだ点でした。

正直今も、通院のたびに毎回悩み、

夫婦で何度も話し合っています。

 

小さなてまりに負担をかけてまで、

今すぐ検査するべきなのか。

 

多飲多尿以外はこんなに元気なのに

副作用のあるかもしれない薬を

試験的に投与する必要があるのか。

 

どんなに考えても、

どんなに話し合っても、正解がわかりません。

 

それでも私たちはてまりと過ごす今後を

極力幸せなものにするために

次のステップに進むことにしました。

 

てまりは女の子なので

子宮系の病気予防のため避妊手術を予定していました。

また、上顎下顎ともに乳歯遺残があるので

同時に抜歯もお願いするつもりでした。

 

しかし、持病があるかもしれないこと、

その病気をコントロールできていない状態だと、麻酔中に脱水を起こす危険も否めないことから

手術は見送った方が良いと言われてしまいました。

 

てまりに健康に過ごしてもらうために

私たちがしてあげられることが

またひとつ減ってしまう。

そう思った時、

持病があるのなら早く発見して

適切にコントロールしていこう

と思えました。

 

避妊も、抜歯も、

生涯不可能というわけではなく、

病態を把握しコントロールができていれば

獣医師ときちんと相談の上、手術が可能になります。

 

これはあくまで私たち夫婦の考え方ですが、

「多飲多尿だからできないこと」

なるべく減らしてあげられるように

これからも一歩一歩進んでいきたいと思っています。

 

てまりには、何度も病院に付き合ってもらう形になるけれど。

先住猫のなぎくんにも、お留守番してもらう回数が増えてしまうけれど。

そのぶん2匹2人で1日でも長く

幸せに過ごせるように日々模索していきます。

 

 

以上、てまりの尿比重から病気を考えるでした!

読んでいただきありがとうございました。

 

低張尿、等張尿について詳しく書いた前回の記事です。

↓こちらから読んでいただけると嬉しいです↓

temari-pome.hatenablog.com